その他

≪サーベイメータ使用方法の実際≫

サーベイメータの種類

放射線の量や放射性物質による汚染の状況は,サーベイメータ等の放射線測定器によって知ることができます。サーベイメータには,主に空間線量率の測定に用いられるNaI(Tl)シンチレーション式サーベイメータ,電離箱式サーベイメータ,He-3比例計数管などがあり,主に表面汚染の測定に用いられるものには,ZnSシンチレーション式サーベイメータがあり,両者に用いられるものにGM管式サーベイメータがあります。(図2-25) ここでは,汚染管理やスクリーニングに使用されるGM管式サーベイメータによる身体汚染の測定方法とNaI(Tl)シンチレーション式サーベイメータを用いた甲状腺ヨウ素の測定方法を示します。

図2-25 サーベイメータの分類
図2-25 サーベイメータの分類

GM管式サーベイメータを用いた身体汚染測定方法

身体汚染測定は,放射性物質が身体表面に存在するか否かを確認することを目的としており,身体の除染や専門医師による医療処置の判断に必要な身体汚染の情報を提供します。

1)身体汚染測定

  1. サーベイメータの点検,養生
  • 患者搬送時の汚染検査
  • 除染等処置後の汚染検査
  • 2)医療スタッフおよび汚染区域等の汚染検査

    1. 患者を手術室等へ移動する際
  • 医療スタッフ等が汚染区域から退出する際
  • 処置室および汚染区域を正常区域へ復帰させる際
  • 3)身体汚染測定の記録と表面汚染密度の評価

      表面汚染密度の求め方
      表面汚染密度(Bq/cm2)=

      正味の計数率(cpm)
      ×表面汚染密度換算係数(Bq/cm2/cpm)
      ×換算係数の補正値
      例:核種
      正味の計数率
      表面汚染密度換算係数
      表面汚染密度換算係数の補正値
      表面汚染密度
      コバルト(Co-60)
      2,500cpm
      2.1×10-3Bq/cm2/cpm
      1
      2,500×2.1×10-3×1
      =5.25Bq/cm2
      1. 表面汚染密度換算係数
      2. サーベイメータに貼付された校正定数は,Bq/cpmで表示されていますので検出器の窓面積(20cm2)で割ります。

      3. 換算係数の補正値
      4. 表面汚染密度換算係数は多くの場合,ウラン線源を用いて得られますので,放射性ヨウ素を測定する場合には,表面汚染密度換算係数の補正値は4.3となります。

        図2-26 GM管式サーベイメータ(TGS-136型)の外観図
        図2-26 GM管式サーベイメータ(TGS-136型)の外観図
        表2-12 型式による校正定数等の例*1
        型式 校正定数(Bq/cpm) バックグランド*2(cpm) 検出限界(Bq/cm2
        TGS-113 6.1×10-2 約65 7.4×10-2
        TGS-123 4.3×10-2 約65 5.5×10-2
        TGS-136 4.2×10-2 約65 5.6×10-2
        *1:カタログ値
        *2:バックグランドは地域や作業場所によって変化します。

      頸部甲状腺に沈着した放射性ヨウ素の測定

      頸部甲状腺部位の測定は,放射性ヨウ素の体内量のさらに精密な測定,医学的な診察等を行う二次被ばく医療のためのスクリーニング測定の一部として行われます。 ここでは,頸部甲状腺部位の測定方法と,そのために使用される代表的なNaI(Tl)シンチレーション式サーベイメータについて述べます。

      1)頸部甲状腺汚染スクリーニングの準備

      2)頸部甲状腺部位の測定の方法

      3)NaI(Tl)シンチレーション式サーベイメータ(TCS-161)の指示値(μSv/h)からヨウ素(I-131)の甲状腺残留量を求めるための換算係数[kBq/(μSv/h)]

      NaI(Tl)シンチレーション式サーベイメータによる頸部測定位置での甲状腺中のヨウ素残留量とサーベイメータ指示値(TCS-161)との関係は,図2-28のとおり与えられています。成人についての換算係数は,グラフから20kBq/(μSv/h)を用います。

      注)NaI(Tl)シンチレーション式サーベイメータには従来の計数率型(TCS-161)とDBM型(TCS-171, TCS-172)がありエネルギー特性が異なっています。このためDBM型のサーベイメータは頸部ファントムで校正された換算係数を使います。

      型式 成人の換算係数
      TCS-161 20kBq/(μSv/h) ディスクリレベル 50keV
      TCS-171,TCS-172 30kBq/(μSv/h) DBM型
      図2-28 年齢層別甲状腺(ファントムによる)中のヨウ素(I-131)残留量とサーベイメータ指示値(TCS-161用)との関係

      出典:Tanaka,G.,Kawamura,H.,J.Radiat.Res.,19,78-84(1987),および科学技術庁,"緊急時における放射性ヨウ素測定法",放射能測定シリーズ15,P24(1977);ただし,単位をSIに変えたもの。

      図2-28 年齢層別甲状腺(ファントムによる)中のヨウ素(I-131)
      残留量とサーベイメータ指示値(TCS-161用)との関係