≪内部被ばくに関する線量換算係数≫

内部被ばくに関する線量換算係数としてICRPでは,Dose Coefficient(線量係数)という数値を勧告しています。これは,1Bqを経口あるいは吸入により摂取した人の預託実効線量で単位はSv/Bqです。ただし,吸入による1Bqの摂取量とは,吸い込んだ放射能が1Bqであって呼吸気道に沈着した放射能ではないことに注意する必要があります。
 また,ICRPは放射性核種それぞれについて経口または吸入摂取した作業者についての実効線量係数と子供および成人の一般公衆についての実効線量係数を勧告しています。前者はICRP Publ.68(1994)に,後者はICRP Publ.72(1996)にまとめられています。なお,線量の積分期間は,作業者および成人の一般公衆で50年,子どもでは摂取した年齢から70歳までとしています。
 以下に,緊急時に考慮すべき放射性核種について,ICRP Publ.72に勧告された成人の一般公衆が経口または吸入摂取した場合の実効線量係数を示します。

表4-1 緊急時に考慮すべき放射性核種に対する実効線量係数*
核種 半減期 経口摂取(Sv/Bq) 吸入摂取(Sv/Bq)
H-3 12.3年 4.2×10-11 2.6×10-10
C-14 5730年 5.8×10-10 5.8×10-9
P-32 14.3日 2.4×10-9 3.4×10-9
K-40 12.8億年 6.2×10-9 2.1×10-9
Ca-45 163日 7.1×10-10 3.7×10-9
Cr-51 27.7日 3.8×10-11 3.7×10-11
Mn-54 312日 7.1×10-10 1.5×10-9
Fe-59 44.5日 1.8×10-9 4.0×10-9

:この表はICRP Publ.72から抜粋したものであり,化学形等によって複数の値が示されている核種についてはそのうちの一番大きな値としています。また,化学形等により実効線量係数の値が数桁におよぶ範囲で異なる核種も含まれています。化学形等が明らかな場合には,当該化学形等に相当する実効線量係数をICRP Publ.72などから使用すべきです。

表4-1 緊急時に考慮すべき放射性核種に対する実効線量係数*(続き)
核種 半減期 経口摂取(Sv/Bq) 吸入摂取(Sv/Bq)
Co-58 70.8日 7.4×10-10 2.1×10-9
Co-60 5.27年 3.4×10-9 3.1×10-8
Zn-65 244日 3.9×10-9 2.2×10-9
Sr-89 50.5日 2.6×10-9 7.9×10-9
Sr-90 29.1年 2.8×10-8 1.6×10-7
Sr-91 9.50時間 6.5×10-10 4.1×10-10
Sr-92 2.71時間 4.3×10-10 2.3×10-10
Y-90 2.67日 2.7×10-9 1.5×10-9
Y-91 58.5日 2.4×10-9 8.9×10-9
Zr-95 64.0日 9.5×10-10 5.9×10-9
Zr-97 16.9時間 2.1×10-9 9.2×10-10
Nb-95 35.1日 5.8×10-10 1.8×10-9
Nb-97 1.20時間 6.8×10-11 4.5×10-11
Mo-99 2.75日 6.0×10-10 9.9×10-10
Tc-99m 6.02時間 2.2×10-11 2.0×10-11
Ru-103 39.3日 7.3×10-10 3.0×10-9
Ru-106 1.01年 7.0×10-9 6.6×10-8
Rh-105 1.47日 3.7×10-10 4.4×10-10
Rh-106m 2.20時間 1.6×10-10 3.5×10-10
Ag-110m 250日 2.8×10-9 1.2×10-8
Sb-125 2.77年 1.1×10-9 1.2×10-8
Sb-127 3.85日 1.7×10-9 1.9×10-9
Te-129 1.16時間 6.3×10-11 3.9×10-11

:この表はICRP Publ.72から抜粋したものであり,化学形等によって複数の値が示されている核種についてはそのうちの一番大きな値としています。また,化学形等により実効線量係数の値が数桁におよぶ範囲で異なる核種も含まれています。化学形等が明らかな場合には,当該化学形等に相当する実効線量係数をICRP Publ.72などから使用すべきです。

表4-1 緊急時に考慮すべき放射性核種に対する実効線量係数*(続き)
核種 半減期 経口摂取(Sv/Bq) 吸入摂取(Sv/Bq)
Te-132 3.26日 3.8×10-9 2.0×10-9
I-129 1570万年 1.1×10-7 3.6×10-8
I-131 8.04日 2.2×10-8 7.4×10-9
I-133 20.8時間 4.3×10-9 1.5×10-9
Cs-134 2.06年 1.9×10-8 2.0×10-8
Cs-136 13.1日 3.0×10-9 2.8×10-9
Cs-137 30.0年 1.3×10-8 3.9×10-8
Ba-140 12.7日 2.6×10-9 5.8×10-9
La-140 1.68日 2.0×10-9 1.1×10-9
Ce-141 32.5日 7.1×10-10 3.8×10-9
Ce-143 1.38日 1.1×10-9 8.3×10-10
Ce-144 284日 5.2×10-9 5.3×10-8
Nd-147 11.0日 1.1×10-9 2.4×10-9
Ra-226 1600年 2.8×10-7 9.5×10-6
Th-232 140億年 2.3×10-7 1.1×10-4
U-235 7.04億年 4.7×10-8 8.5×10-6
U-237 6.75日 7.6×10-10 1.9×10-9
U-238 44.7億年 4.5×10-8 8.0×10-6
Np-239 2.36日 8.0×10-10 1.0×10-9
Pu-238 87.7年 2.3×10-7 1.1×10-4
Pu-239 2.41万年 2.5×10-7 1.2×10-4
Am-241 432年 2.0×10-7 9.6×10-5
Cm-244 18.1年 1.2×10-7 5.7×10-5

:この表はICRP Publ.72から抜粋したものであり,化学形等によって複数の値が示されている核種についてはそのうちの一番大きな値としています。また,化学形等により実効線量係数の値が数桁におよぶ範囲で異なる核種も含まれています。化学形等が明らかな場合には,当該化学形等に相当する実効線量係数をICRP Publ.72などから使用すべきです。

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