前書き
平成11年9月30日に発生したJCOウラン加工施設の臨界事故では、安全確保を大前提に原子力の開発利用を進めてきた我が国にとって、3名の作業員が重篤な被ばくを受け、2名が亡くなられるなど、前例のない大事故となりました。
このため、JCO臨界事故の災害対応の反省を踏まえ、平成11年12月には原子力災害対策特別措置法が制定され、原子力災害の特殊性に応じた緊急時対応体制の強化が図られています。また、事故や災害に対応する上で、最も優先されるべきは人命の救助であり、緊急被ばく医療の充実強化を図る必要があることが痛感されたことから、国の原子力安全委員会では、平成12年7月に原子力発電所等周辺防災対策専門部会に緊急時医療検討ワーキンググループを設置し、緊急被ばく医療の充実強化を図るための検討を行い、命の視点に立った報告書「緊急被ばく医療のあり方について」を取りまとめました。さらには、本報告書の主旨を受けて、平成13年6月には「原子力施設等の防災対策について」(「防災指針」)が改訂されました。
このような状況を踏まえ、国、地方公共団体および原子力事業者等の関係機関では、原子力安全委員会に提言された、「緊急被ばく医療のあり方について」(平成13年6月)を基本に、実効性ある緊急被ばく医療対応体制の見直し・整備が進められています。
当協会では、地域医療関係者および住民の理解増進に資するため、「緊急被ばく医療のあり方」についてQ&Aで分かり易く解説するとともに、緊急被ばく医療の基礎となる知識を掲載したパンフレットを作成しました。
関係の地方公共団体で、このようなパンフレットを作成する際の参考にして頂ければ幸いです。
平成14年3月
財団法人原子力安全研究協会